余韻にある繊細な味のレイヤーがいくつも楽しめます。飲み口は、12%のアルコール度数を感じない、非常に軽やかで優しいテクスチャー。完熟の果実感と柑橘皮の苦味のようなタンニンもアフターに感じ取る事ができます。1日目から十分すぎるほど美味しいが2日目以降から本領発揮。
ワイナリーコメント
2020年、大きく世界が変容した年。経済、政治、私達自身の在り方も問い正され、立ち止まり改めてこれらからの未来を見据える1年となりました。東日本の震災、原発の事故で生き方を大きく動かされ、農業、ワイン造りの世界に導かれたように、これから念願の醸造所が完成してようやくスタートラインに立とうというタイミングで、また時代の大きな変化の真っ只に立っている事を感じています。
そんな中、私達の道しるべとなるような宝物のような出逢いがありました。ご縁に導かれ受託醸造最後の一区切りとなる大切な年、山梨の本当に素晴らしい場所、人々のもとでワイン造りはもちろん、ワインの在り方、思想まで影響を受け経験できた事は何にも代え難い、これからの人生の大きな宝物となりました。
恵まれた年で完熟〜過熟の状態で一斉に収穫、そのまま山梨の醸造所まで運び込み全ての畑のぶどうを一つのタンクにて全房発酵。極少量ヴィニフェラ数種も入っていますが、発酵初期の段階でグアバジュースや紅茶など、明らかに今までのマスカット・ベリーAには無かったニュアンスがあり、2週間ほどのマセラシオンカルボニックの後、開放樽に移し朝夕のピシャージュを行いました。発酵後半に搾汁後、持ち込んだグラスファイバータンクとアンフォラにて4ヶ月ほど貯蔵、 澱引き後瓶詰め。仕込みから瓶詰めまでぶどう以外何も足さず、引かず2020年のありのままのワインとなりました。
ぶどうの栽培においても農薬やボルドー、石灰硫黄合剤など畑に何も施さない栽培を7年続けて、ようやく品質、収量ともにとても良い結果となり、理想的な栽培、醸造の中で生まれたワインはこれからの基準や目標としていきたい出来栄えとなりました。
スミレや水仙の花、プルーン、カシス、ダークチェリー、フランボワーズ、ムスクなどの香り、味わい。飲み口は、口中の液体の重力や12%のアルコール度数を感じない、非常に軽やかで優しいテクスチャーですが、完熟の果実感と柑橘皮の苦味のようなタンニンもアフターに感じ取る事ができます。酸はさほどありませんが、それを差し引いてもとても美味しいワインと思います。(ここ数年は抜栓後の状態がよくないものもありましたが、2020ヴィンテージは今の段階では数日以上経っても安定していますので家飲みはもちろん、飲食店様でも提供して頂きやすいと思います。) 大変な世相の中でのリリースになりますが、お届けするワインが皆様の日々のエネルギーになれますように。どうぞ宜しくお願い致します。
※酸化防止剤は使用しておりません。すぐに飲まれない場合はなるべく20度以下の場所での保管をお願い致します。
Botanical Life
古くからマスカットベリーAの産地である兵庫県加西市に位置するBotanical Life。ぶどう栽培家であり醸造家である福永夫妻は、様々な人や場所、ワインとの出会いから、ぶどうの栽培やワイン造りを一生の生き方にしたいと強く願い、2014年に就農。

その後各地のワイナリーにて委託醸造を行い、2022年に自身のワイナリーを設立されました。音楽やカルチャーから多大な影響を受ける福永夫妻のワインは、エチケットデザインもゆかりのあるアーティストによって作られています。

自然と調和しながら、食や農を通して皆様の心や体の一部、暮らしの一部になれる事が私達の喜びです。という福永夫妻は自然に敬意を払い、農薬や除草剤、肥料に頼らず畑に住んでいる動物や虫、植物、微生物たちの生命に寄り添いながら日々ぶどうのお世話をされています。

詳細情報
- 醸造家
- Botanical Life
- Wine
- vin-shu 2020 / ヴァンシュウ 2020
- Type
- Red(⾚)
- Vintage
- 2020
- Grapes
- Muscat Bailey A
- Alcohol
- -
- Grapes grower
- -
- Area
- Hyogo
- Technical
- SO2 Free,Wild yeast