わずかな微炭酸と優しい酸でどんな料理とも合わせやすい。抜栓すると白い花やイチジク、温度が上がって来るといちごやさくらんぽの赤い果実の香り。徐々にマスカット・オブ・アレキサンドリアの存在感が増す。澱が混ざってくると柑橘系の苦みが加わり、異なる味わいを楽しめる。
ワイナリーコメント
【醸造法】ぶどうを丸ごとタンクに入れ、14日間マセラシオン。後に3日間ピジャージュ。タンクからぶどうを取り出し圧搾。ジュースを樽に移し低温で発酵させた 「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と 「シラー」のぶどうをそのまま搾汁し、樽で発酵させた「グルナッシュ」をアッサンブラージュして瓶詰め。清澄剤・フィルター不使用。亜硫酸(二酸化硫黄)完全無添加。今年のロットは、発酵が終わりかけの状態で瓶詰めをしました。グラスに注ぐことで微弱の炭酸ガスが口の中で柔らかく静かに弾け、まるで湖面に広がる波紋のような余韻を感じます。淡い淡い炭酸の残響が印象的なロゼワインになりました。※瓶の底に溜まっているのは澱です。
※マセラシオン=ぷどうを漬け込んでワインを醸造すること。
※ピジャージュ=ワインの醸造工程で、発酵中にタンクの中で足踏みし、果皮を多く液体と触れさせること。
※アッサンブラージュ=異なるワインをまぜること。
【ぶどうのこと】マスカット・オブ・アレキサンドリアをはじめ、ぶどうの産地、倉敷市船穂町で有機農法で育てたぶどうだけを使用しています。2021年にはついに念願だった醸造所が完成しました。いよいよ自社でのワイン作りに取り掛かろうとした矢先の8月。予想だにしていなかった連日の雨。突発的な豪雨にも悩まされました。順調にすくすくと成長していたぶどうたちが、この雨を境にみるみるうちに割れてしまい早い収穫を余儀なくされました。あの時、もう少し晴れの日があればと何度も思いました。しかし、雨にも負けずに懸命に育ってくれたぶどうたちを目にして、くよくよしていても仕方がない。自分たちができる最善を尽くしてワインを作ろう。そんな想いのもとに生まれたのが、今回の「朱 2021」です。優美で穏やか、雅やかさを湛えた仕上がりの中に、どんな状況にも屈することがない「芯」を秘めたワインになりました。逆境でも決してあきらめずに、自分たちのワイン作りに取り組んでいきたいという想いを再確認した、思い入れのあるロットです。
GRAPE SHIP
「晴れの国」とも言われるほどに、雨が少ない岡山県倉敷市船穂に位置するGrape ship。関西でフレンチレストランのシェフをしていた代表の松井さんは、ワインと料理の研究のためにフランスに留学。現地でナチュラルワインの世界に感銘を受け、帰国後は醸造家になるべく地元岡山県倉敷市船穂町で、マスカット・オブ・アレキサンドラの生産を学び2012年に就農。フランスで評価を得て日本に帰国した醸造家大岡さんが設立されたラ・グランド・コリーヌでの研修を経て、2021年に自身の醸造所を設立されました。
マスカット・オブ・アレキサンドリアの歴史は相当に古く、船穂では1886 年、明治19 年から栽培がスタート。実に130年以上、船穂の先人達によって脈々と受け継がれてきました。
瀬戸内海をのぞむ、風通しの良いこの土地で人々と共に育まれたマスカット・オブ・アレキサンドラ。果実もワインも美味しいそのぶどうの魅力を伝えていきたいという思いで、松井さんたちはワイン造りをされています。
詳細情報
- 醸造家
- Grape ship
- Wine
- 朱 2021
- Type
- Rosé Sparkling(泡ロゼ)
- Vintage
- 2021
- Grapes
-
Muscat of Alexandria 70%,syrah 20%,Grenache 10%
- Alcohol
- 8.5%
- Grapes grower
- -
- Area
- Kurashiki,Okayama
- Technical
- -
- Label Design
- アートスペース油亀